3つの表記の条件

情報通信アクセス協議会 ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)は「ウェブコンテンツのJIS X 8341-3:2016 対応度表記ガイドライン」を公開しています。最新の2021年4月版(2021年4月13日公開)の条件は次のとおりです。

表記試験試験結果の公開あわせて示すもの
準拠試験を実施し、達成基準を全て満たしていることを確認公開するウェブアクセシビリティ方針
一部準拠試験を実施し、達成基準の一部を満たしていることを確認任意今後の対応方針
配慮試験の実施の有無、結果は問わない―目標とした適合レベル又は参照した達成基準の一覧

また、ガイドラインはAAAの一部準拠にはAAの準拠が、AAの一部準拠にはAの準拠が前提になると定めています。

「準拠」と書く前に確認すること

  • 試験はJIS X 8341-3:2016の附属書JB(試験方法)などを参考に実施したか
  • 試験対象ページの選び方(全ページか、ランダム選択か)を説明できるか(サンプリングの考え方)
  • 目標レベルの達成基準を全て満たしているか(1つでも不適合があれば「準拠」ではない)
  • 試験結果(対象URL、試験日、達成基準ごとの結果)を公開できるか

自動チェックツールのスコアだけでは「準拠」の根拠になりません(自動検査で分かること・分からないこと)。

「一部準拠」を選ぶ場面

試験を実施したものの一部の達成基準を満たせなかった場合や、改修が段階的に進む場合は「一部準拠」が実態に合います。この場合はガイドラインどおり、今後の対応方針(いつまでに何を改修するか)を方針ページに書きます。試験結果の公開は任意ですが、満たしていない達成基準を示すと利用者に分かりやすくなります。

「配慮」の位置づけ

「配慮」は試験の有無を問わない表記です。試験をまだ実施していない段階で、目標とする適合レベルや参照した達成基準を示して取り組みを公表する場合に使われます。外部から見て「準拠」と混同されないよう、試験を実施していないことや今後の予定を併記するのが親切です。

WCAGの「部分適合」との違い

WCAG 2.2の適合要件では、作成者の管理外にある第三者コンテンツなどのために、「部分適合(partial conformance)の声明」を検討できるとされています。W3Cはこれを「適合していないことの声明」でもあると注意しています。JISの「一部準拠」とは定義が異なるため、方針ページで両方の言葉を混在させないようにします(第三者コンテンツの扱い)。

相談先・申込先の選び方

「準拠」の表記を目指して外部試験を依頼するときは、試験方法(附属書JBを参考にするか)、ページ選定の方法、試験結果の書式(公開用の一覧を作成してもらえるか)を見積もり条件に入れておきます。方針ページの文案は方針の書き方を参考にしてください。

出典・確認日

確認日:2026年10月12日/参照した公式・一次情報 3件