追加された9つの達成基準

番号名称(英語)レベル主に見直す箇所
2.4.11Focus Not Obscured (Minimum)AA固定ヘッダー・追従バナー・Cookie同意バーがフォーカスされた要素を完全に隠さないか
2.4.12Focus Not Obscured (Enhanced)AAAフォーカスされた要素が一部も隠れないか
2.4.13Focus AppearanceAAAフォーカス表示の大きさとコントラスト
2.5.7Dragging MovementsAAスライダー、並べ替え、地図などをドラッグなしの単一ポインタ操作でも使えるか
2.5.8Target Size (Minimum)AAボタンやアイコンのタップ領域(24×24 CSSピクセル、例外あり)
3.2.6Consistent HelpA問い合わせ先やヘルプへの導線が、複数ページで同じ相対的な順序に置かれているか
3.3.7Redundant EntryA同じ手続の中で、すでに入力した情報を再入力させていないか
3.3.8Accessible Authentication (Minimum)AAログインでパスワードの記憶やパズルなどの認知機能テストを必須にしていないか(代替手段等の例外あり)
3.3.9Accessible Authentication (Enhanced)AAA3.3.8より例外を絞った要件

W3Cは、2.0と2.1の達成基準は2.2でも基本的に同じであり、例外は4.1.1の削除だと説明しています。

削除された4.1.1 Parsing(構文解析)

WCAG 2.2では4.1.1 Parsingが「obsolete(廃止)」とされ削除されました。ただし、日本で広く参照されているJIS X 8341-3:2016はWCAG 2.0と技術的に同等の規格であり、4.1.1を含んでいます。JISを基準に試験を発注している場合は、どちらの規格・版で試験するのかを契約書や試験結果ページに明記しておくと混乱を避けられます(版と達成レベルの選び方)。

実装で優先して見直したい4項目

フォーカスが隠れていないか(2.4.11)

Tabキーで移動したとき、画面下部の固定バナーやスティッキーヘッダーの下にフォーカスが潜り込むケースがよくあります。キーボード操作の点検(点検方法)の際に、固定表示の部品があるページを重点的に確認します。

ターゲットサイズ(2.5.8)

対象が24×24 CSSピクセル未満でも、間隔の例外(24 CSSピクセルの円が他のターゲットと重ならない)、同じ機能の別のコントロールがある場合、文中のリンクなどは例外になります。詳しくはスマートフォンのタップ領域の点検で解説しています。

ドラッグ操作の代替(2.5.7)

並べ替えやスライダーは、ドラッグが本質的に必要な場合を除き、クリックやタップだけでも操作できるようにします。

認証(3.3.8)

パスワードの貼り付けを禁止する、画像の文字を読み取らせる、といった実装は見直しの対象になります。パスワード管理ツールの利用や、メールで届くリンクによるログインなどが選択肢になります。

2.1以前で適合を確認したサイトの進め方

  1. 現在の方針ページに記載している規格名・版・達成等級を確認する(方針の書き方)
  2. 追加9項目のうち、目標レベル(多くはAA)に該当する6項目(A:3.2.6・3.3.7、AA:2.4.11・2.5.7・2.5.8・3.3.8)を対象にする
  3. テンプレート(ヘッダー、フォーム、ログイン画面)から確認し、共通部品の修正で広く効かせる
  4. 方針ページを更新する場合は、変更日と変更内容を履歴に残す(規格更新時の見直し)

相談先・申込先の選び方

外部診断を依頼する場合は、「WCAG 2.2 AA」「JIS X 8341-3:2016 AA」のどちらで試験するのか、両方を併記するのかを見積もり前に決めます。試験項目の数が変わるため、同じ条件でないと見積もりを比べられません。日本語の参照資料として、WAICがWCAG 2.2の日本語訳を公開しています(WAICは、公開した訳がそのままJIS規格になるわけではないと注記しています)。

出典・確認日

確認日:2026年10月12日/参照した公式・一次情報 6件